市民向け講座の開催

◆市民向け講座の開催◆

学会発祥の地でもある大津市での市民向け講座を2013年度からおこないます。会場は大津市歴史博物館です。


【講座受講に関して】

・事前申し込み制です。学会事務局ではなく、大津市歴史博物館へ直接お申し込みください

―お申し込み方法―
・ハガキで大津市歴史博物館までお申し込み下さい。
・申込の際には、希望する講座名・郵便番号・住所・氏名・電話番号を必ずお書きください。
・応募締め切りは開講日の10日前です。
・定員を超える場合は抽選となりますのでご了承ください。
・参加費(500円・大津市歴史博物館カード会員は250円)が必要です。
・諸般の事情により中止、あるいは内容が変更されることがあります。

*詳細は大津市歴史博物館 の れきはく講座のページ や広報物等を御覧ください。

【2017年度の講演内容】

■9月2日(土) 14:00~ 「フェノロサと世紀転換期」
大津歴博・フェノロサ学会共同開催

講師:岡本 佳子 (国際基督教大学アジア文化研究所研究員)

概要:美術史家アーネスト・フェノロサ(1853-1908)は日本で仏教に帰依し、園城寺法明院に眠っています。アメリカ東部ニューイングランドでスペイン系移民の家庭に生まれたフェノロサは、どのような歴史的背景において仏縁を結んだのでしょうか。本講演では、フェノロサが生きた19世紀後半から20世紀初頭の世紀転換期の日本とアメリカにおける宗教の状況から、彼の立ち位置を考えます。

■9月9日(土)  フェノロサと芳崖・雅邦:近代日本画の誕生
大津歴博・フェノロサ学会共同開催

講師:岡部 昌幸 (帝京大学教授・群馬県立近代美術館館長)

概要:明治初期、フェノロサは岡倉天心を伴い、狩野芳崖(1828-88)、橋本雅邦(1835-1908)を訪ねて新しい日本画と美術学校の構想を述べ、感激したこの巨匠たちと深夜まで熱く語り合い、友情を固く結びました。幕末維新の動乱で失われる寸前の日本画の伝統を救い、新しく世界に通用する新時代の日本画を創生させたフェノロサと芳崖、雅邦たちの革新運動は日本の近代化でも、稀に見る成功例といえます。今日、世界に注目される日本画の原点を見直します。

【2016年度の講演内容】

■9月3日(土) 14:00~ 「フェノロサは日本文化の何に惹かれたのか?」
大津歴博・フェノロサ学会共同開催(第660回れきはく講座)

講師:宗像衣子(日本フェノロサ学会幹事/神戸松蔭女学院大学文学部教授)

概要:近代日本の幕開け明治期において、失われようとしていた日本の伝統美術を救いだしたお雇い外国人教師、アーネスト・フェノロサは、何に注目してその偉業を遂げ、今、三井寺法明院に眠るのだろうか。彼の関心としてよく知られた仏教美術に限らずより広く、文化の全体の視野から、文学や音楽に関わる見識を眺めて、偉大な日本文化讃美者としてのフェノロサの様子を探る。

■9月10日(土)  14:00~ 「アメリカン・ルネッサンス-フェノロサが生きた母国の美術」
大津歴博・フェノロサ学会共同開催(第662回れきはく講座)

講師:岡部昌幸(日本フェノロサ学会幹事/帝京大学文学部教授)

概要:アーネスト・フェノロサは、日本の古典美術を保護し、その古典を新しい美術にした恩人であるが、彼が生まれ育ったアメリカの美術と環境は、どのようなもの であったのでしょうか。彼は母国の美術にどのような関心をもっていたのでしょうか。アメリカ世紀末に「アメリカン・ルネッサンス」といわれた美術に向け た、フェノロサの夢と理想をたどってみます

【2015年度の講演内容】

■8月29日(土) 14:00~ 「フェノロサは京都の図案本を見たか? ①」
大津歴博・フェノロサ学会共同開催(第627回れきはく講座)

講師:スコット・ジョンソン(関西大学名誉教授)

 明治後期には、京都の染織業界の需要によって、友禅等の図案本(デザインブック)が木版摺りで盛んに出版されました。この時期に日本を訪れていたフェノロサも注目したであろう図案本についてお話します。

■9月5日(土) 14:00~ 「フェノロサは京都の図案本を見たか? ②」
大津歴博・フェノロサ学会共同開催(第628回れきはく講座)

講師:スコット・ジョンソン(関西大学名誉教授)

 1896年の訪日時には、フェノロサは妻と共に京都の藝艸堂(うんそうどう:京都の木版摺りの老舗出版社)の近くにも宿泊していたとみられ、この時に図案本との出会いがあった可能性があります。フェノロサたちが京都で何を見たのか、その可能性についてお話します。

【2014年度の講演内容】

■7月26日(土) 14:00~ 「フェノロサと日本文化 ―伝統と近代化の間で―」
歴史博物館・日本フェノロサ学会共同開催(第591回れきはく講座)

講師:神林 恒道(日本フェノロサ学会会長・大阪大学名誉教授)

 明治時代の初め、西欧をモデルに、明治政府は「文明開化」をスローガンに掲げ、急速な近代化政策を推し進めました。また一方で「神道立国」を目指した「廃仏毀釈」の運動により、多くの伝統的な文化財が破壊されるという危機に見舞われました。これを救ったのがお雇い外国人のフェノロサと岡倉天心でした。フェノロサは後に仏教に帰依し、園城寺法明院にその墓所があります。講座では、いかにして近代日本における芸術文化の受容がなされたかを語ります。


【2013年度の講演内容】

■6月8日(土)14:00~ 「西欧のアートと日本美術の伝統」  
歴史博物館・日本フェノロサ学会共同開催(第555回れきはく講座) 

講師:神林恒道(日本フェノロサ学会会長、大阪大学名誉教授)

  文明開化をスローガンに欧化主義を掲げた明治政府の文化政策により、日本の伝統美術は危機に瀕していた。これを擁護しようとして立ち上がったのが、フェノ ロサと岡倉天心であったことはよく知られている。その一方でパリの万国博覧会を契機に、西欧では日本の絵画への関心が高まり、印象派の画家たちに大きな影 響をあたえつつあった。このアートの世界におけるクロス現象をどのように見るか、映像を使ってわかりやすくお話ししたいと思う。

■6月15日(土)14:00~  「フェノロサと三井寺法明院」    
歴史博物館・日本フェノロサ学会共同開催(第556回れきはく講座)

講師:新関伸也(日本フェノロサ学会事務局長、滋賀大学教授)  

  東京大学に哲学教師として米国より招かれたお雇い外国人フェノロサは、日本美術の恩人といわれています。明治初期、廃仏毀釈や急激な西欧化により、伝統的な日本の美術は壊滅的な状態となりました。そのような惨状に対してフェノロサと岡倉天心は、日本の美術を保護するために活動を繰り広げます。その間、フェノ ロサがどのように三井寺法明院と関係し、没後に墓を建てるまでに至ったのかをやさしく解説します。

 
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